この会の目的は、食の安心・安全を実現するために、主に大分県議会におけるゲノム編集食品表示義務化および種子条例の制定に向けた請願活動を行うことにあります。ゲノム編集食品の流通解禁、2018年種子法廃止、そして本年(2020年)国会に提出されております種苗法改正案等、「いのち」よりも経済効率を優先する法改正が相次ぎ、食の安心・安全が二の次にされていると私たちは感じています。しかし、法律が関わって内容が難しいこと、また「種子」というと生産者に関わることであり、一般の消費者には関係のないことと捉えられがちです。
そのような状況下で、私たちは日々の食卓に上る「お茶碗一膳」から「種子」にさかのぼって考えていくことで、「種子」の問題は生産者のみならず、みんなの問題であることを広く共有したいと考え、この会を立ち上げました。このような思いがあるからこそ、当会に「いただきます!プロジェクト〜お茶碗一膳から考えよう〜」という名称を付けました。上記の請願活動を行う過程で、私たちの生活を支えている種子、農作物およびその生産者を取り巻く現実の問題を広く大分県民と共有することで、私たちが追い求めてきた経済的効率性や消費行動を見つめなおし、経済社会の在り方を新たに考え構築していくことを目標とします。
(1)食の安心・安全に関する請願
大分県議会および全市町村議会に、食の安心・安全に関する請願を行います。主として、ゲノム編集食品に関わる内容となります。
(2)種子条例策定に向けた請願
大分県での種子条例制定策定に向けた請願は私たちの最大の目標です。本年度中に行うことを目標として、これに向けた活動を順次実施してまいります。種子条例とは主要農作物の種子の安定供給と、在来種の保護を都道府県レベルで定めるものです。国レベルで前者について定めていた種子法が2018年に廃止されたため、すでに18道県が種子条例を制定して、種子の保護に取り組んでいます。そのような中大分県では、種子条例制定の動きはありません。まず種子条例の必要性を広く共有するための講演会や勉強会、ワークショップなどを適時開催します。また、大分県で一つの種子条例を策定することになりますので、特定の地域で栽培されている品種にかたよることなく、それぞれの地域の個性をなるだけ活かした条例案を作成できるよう、各市町村の生産者の方と市民との意見交換会を開催します。
「おおいたいただきます!プロジェクト」共同代表 宇都宮陽子
2020年6月1日 ニュースリリース「おおいた いただきます!プロジェクト 〜お茶碗一膳から考えよう〜 設立について」より抜粋
※これまでの活動はこちらよりご覧いただけます。
日本の食料自給率の低さについては、日本社会の抱える課題として、誰しも聞いたことがあるのではないでしょうか。実際、諸外国と比較して日本の食料自給率の低さは際立っており、カロリーベースで最下位となっています。さらに種までさかのぼると自給率は8%まで下がります(※2)。食は生命をつなぐためになくてはならないもの。その大半を輸入にのみ依存している現状は、日本にとって重大な問題です。食料自給率、さらには種の自給率を上げることに、今取り組んでいく必要があります。
※1:2019年度 カロリーベース
※2:日本農業新聞."自家増殖制限と種の海外依存 公共的支援枠組みを 東京大学大学院教授 鈴木宣弘氏".日本農業新聞.2020/12/1.https://www.agrinews.co.jp/p52552.html,(2021/3/14)
そんな中、2018年1月に「種子法」が廃止されました。「種子法」の正式名称は「主要農作物種子法」といいます。戦中・戦後、食糧難にあえぐ国民を前に、米・麦・大豆といった、国民の生活に欠かせない主要な農作物について、都道府県が「優良な種子の生産および普及を促進する」ことを目的として、1952年に制定された法律でした。種子法のおかげで、日本の主食用米の自給率は100%(※3)であり、「国が国民の生活に必須の食料を守る」責任はこれまでしっかり果たされてきました。
食料自給率の低さが問題となっている日本にとって、農作物を自力で生産していく環境を整備することが求められているにも関わらず、主食用米の完全自給を維持してきたこの法律を今なぜ手放したのか?種子法廃止の意味と、これからの日本の自給率はどうなっていくか考えてみませんか?
※3:農林水産省「aff」2012年5月号
https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/1205/spe1_04.html
種子法廃止や種苗法改正の背景にあるのは、2017年に施行された「農業競争力強化支援法」です。この法律の第3条には国の責務として、「国は、農業者による農業の競争力の強化の取組を支援するため、国内外における農業資材の供給及び農産物流通等の状況を踏まえ、良質かつ低廉な農業資材の供給及び農産物流通等の合理化を実現するための施策を総合的に策定し、並びにこれを着実に実施する責務を有する。」とあります。食料自給率の低さに見られるように、農作物を自力で生産する環境整備さえままらならない日本にとって、農業者へ「競争力の強化」を促進することは優先されるべき事柄なのでしょうか?
さらに第8条第4項では、「種子その他の種苗について、民間事業者が行う技術開発及び新品種の育成その他の種苗の生産及び供給を促進するとともに、独立行政法人の試験研究機関及び都道府県が有する種苗の生産に関する知見の民間事業者への提供を促進すること」とされ、これまで長年にわたって日本で研究開発されてきた種苗についての知見を、民間事業者へ提供することが推奨されています。この法律は一体誰のための法律なのでしょうか?
このような国の姿勢に対し、全国の都道府県単位で「種子法」に代わる「種子条例」を制定する動きが広がっています。「条例」は地方自治体が定める、都道府県単位の自主法です。2021年3月までに全国24道県が「種子条例」を県議会で可決し、その他の県でも制定に向けた動きが進んでいます。県民や生産者が、日本の農業政策に対する危機感や問題意識を共有し、自分たちの課題として声を上げ、取り組んできた成果と言えます。
種子条例制定を通して、大分県の農業遺産、自然環境、食の安心・安全、伝統野菜である在来品種、自家採種、ブランド野菜・果樹を一緒に守りませんか?
「おおいた いただきます!プロジェクト」は、大分県種子条例制定を求め、大分県の全市町村議会、および 大分県議会に対して請願を提出します。すでに27の道県で種子条例が制定されています。条例制定を目指すための署名に、ご協力お願いいたします!
いただきます!プロジェクトでは大分県での種子条例制定を目指しています。そのためには、2つのハードルがあります。
1つ目は「各市町村議会」です。最終的なゴールは大分県での条例制定ですが、そのためには「各市町村議会」から「県議会で「種子条例」を作ってください」という意見書が提出されるかどうかが大きな鍵を握っています。そのため、市民から各市町村に対し、「大分県主要農作物等種子条例制定を求める意見書」の提出等を求める請願」を提出します(※①)。請願を受理した各市町村議会で大分県への意見書提出について審査ののち採択される必要があります。
2つ目は大分県議会です。各市町村議会からの提出された意見書(※②)と合わせて、県民として「種子条例制定を求める請願(※③)」を提出します。大分県議会において種子条例制定についての審査を経て、採択されることで、種子条例の制定が実現します。
このように、大分県で種子条例制定を実現するためには、大分県の各市町村の市民であり、また大分県民である皆様のご協力が必要です。いただきます!プロジェクトでは「各市町村議会」や「大分県議会」に対し提出する請願署名を集めています。是非、県民のみなさんと力を合わせて、種子条例の制定を実現させたいと考えています。そのためには種をめぐる現状にご理解いただき、問題意識を共有し、仲間を増やしていくことが必要です。皆様のご協力をお願いいたします。
※請願とは
国民が地方公共団体(県や市町村のこと)に対して規則の制定などの希望を述べること(地方自治法124条)。憲法16条で保障されている国民の権利です。
「種子条例とは?/大分県種子条例制定への道のり」
(おおいたいただきます!プロジェクト事務局作成)
12月議会提出に向けた請願署名用紙のダウンロードをこちらから行えます。お住まいの市町村をお選びください。(あいうえお順)
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